装着/構造変更/登録
サイドカーの装着/調整
弊社取扱の新車 / 中古サイドカーの装着のほか、お手持ちのサイドカーをモーターサイクルに取り付けたい、といったご依頼にもお応えしています。
弊社の装着技術は調整可能な4点支持または5点支持による強固な装着を基本とします。本車のフレーム形状によっては一部にサブフレームを、または支持部分すべてに回り込むフルサブフレームを併用しての装着となります。
本車/側車の重量、最大出力、お客様の体重・ご要望など様々な要素を検討して一台一台、セットアップを行います。またアラインメントは本車・側車の特性を反映して、安全でコントロールしやすい位置関係を割り出します。
サスペンション強化やアールズフォークなどステアリングのモデファイもご相談をしながら作業計画を建てます。またインチダウンのご相談もどうぞ。
ワトソニアンモデルでは純正ハードウェアを主体に、一部弊社製金具を併用しての装着になります。
弊社製金具は十分な強度を確保するため、材質の吟味はもちろん特別なデザイン・設計がなされ、精密な加工により作られています。また使用するボルトナット類は強靱な自動車用規格品になります。
装着終了後はテストライドを行い、必要に応じ微調整を行った後、お引き渡しになります。また乗りだしから 500~3000kmほど走行後には無料でメンテナンスを実施し、増締めやアラインメントの確認を行います。
モーターサイクルにサイドカーを装着した後は側車付の構造変更(次の項参照)または軽二輪車については軽二輪側車付登録手続きを必ずお受けいただきます。
■ 弊社の標準的な装着工賃と部品の費用・・・・・300,000円(税別)より
- 標準型のステアリングダンパー装着を含みます。
- サブフレームの製作が必要な車種では工賃が別途必要になります。
- 中古サイドカーをお持ち込みいただいた場合はサイドカーフレーム、作動部のメンテナンスやレストア、また取付部分の溶接の剥がし、塗装など作業範囲が大きくなります。これらの工賃は別途必要になります。
- サイドブレーキはオプションとなり、動作方式により費用が異なります。
- 作業期間は2ヶ月~3ヶ月になります。
サイドカー付としての構造変更・登録
自動二輪車においてはサイドカーを取り付けると「改造車」となり、「改造自動車等の届出」という手続きが必要です。
この届出のためには改造自動車等届出書、改造概要等説明書、外観図、改造部分詳細図、各種計算書、各種強度計算書などの準備書類の予備審査を受け、合格後に実車を持ち込んで構造等変更検査を受けなくてはなりません。
サイドカー付であっても車検証の「車体の形状」の記載が「オートバイ」になっている場合は違法改造の状態にあるわけです。このようなサイドカーコンプリートは70年代、80年代に装着したケースに多く見られます。
安心して永く乗り続けていただくには早い時期に構造変更を行い、晴れて「側車付オートバイ」登録に変更されることをお奨めします。
多額の費用がかかりますが、第一に道路運送車両法上必要であり、正規に登録すれば安心して公道が走れますし、自動車保険の扱い上も問題が起きなくなります。また万一の際にも違法改造車扱いでなくなることで不当に不利な立場にされません。
そしてなによりも正規側車付登録であれば愛車の価値がぐんと上がります。
■ 弊社の標準的な側車付構造変更の費用・・・・・・250,000円(税別)より
- 登録代行料、自賠責、重量税、印紙代など別途必要です。
- 保安基準不適合の箇所がある場合、それを適合状態にするための部品・工賃等が別途必要な場合があります。
- 装着方法に問題がある場合、それを問題ない状態にするための工賃等が別途必要な場合があります。
- 実車を見せていただきますとその場でお見積が出来ます。本車の車検証コピーと各部の写真をご用意いただいても同様です。まずはお電話で概要をお知らせください。
126~250ccクラス(軽二輪)の側車付登録
軽二輪にサイドカーを装着した場合は管轄の陸運支局に届け出て、「軽二輪側車付」としての届出済証を得る必要があります。
サイドカー付の全幅が130cmを超える場合は「側車付オートバイ」として構造変更等届出により自動二輪に格上げとなり、軽二輪としてのメリットは大きく損なわれますので、ご注意ください。
■ 弊社の標準的な軽二輪側車付届出手続きの費用・・・・57,000円(税別)より
登録手数料とナンバー発行費用が別途必要です。
自賠責残がない場合は新規に加入が必要です。
すでにサイドカー装着済車両の場合、計測と保安基準適合の確認、車両撮影を行いますので弊社に車両をお持ち込みください。届出の際、陸運支局に現車を持ち込む場合もあります。
51~125cc(原付二種)の側車付登録
原付二種の車両にサイドカーを装着の場合、「軽二輪側車付」として「格上げ申請」が必要です。
この場合も全幅は130cmが限界です。届出が受理されますと、排気量が125cc以下であっても軽二輪となりますので、税金などもアップします。
また法律上は自動車専用道も走れることになりますが、動力的に全く適しませんから非常に危険であり、他の交通にも多大な迷惑や激しい追突の危険を及ぼします。
たとえ「お試しやジョーク」であっても高速道などへの乗り入れは絶対お止めください。
高速道を使用しない用途に限定したサイドカーでない限り、弊社ではこのクラスの申請をお断りしています。
お手持ちの車両にサイドカーの装着を検討する前に
【ブレーキ性能データ届出の有無から、サイドカー付への構造変更申請ができるかどうか。】
近年の安全に関する国際情勢を反映し、年式の新しい車両ほどブレーキ性能について厳しいチェックが行われます。
製造年月日でそれ以前と、それ以降では判断基準が大きく変わりますので、十分なご注意が必要です。
高年式オートバイの場合
1999(平成11)年7月以降に製作されたオートバイを本車とし、側車付オートバイへの構造等変更(改造)を行う場合、制動装置(ブレーキ)の能力について、厳重な安全基準が適用されています。
この法令は本車とするオートバイの製作時期2011(平成23)年6月18日を境に、さらに厳格化されました。
従来はオートバイ(本車)の前後輪それぞれの制動能力に関する公式なデータ(メーカーから国土交通省に提出された数値)をもとに、サイドカーが取り付けられた状態での制動能力を計算し、審査を受けることができました。
しかしこの公式データが提出されていない、あるいは公式と認められるデータが用意できない車両の場合には側車付としての制動能力の証明ができませんので、多くの輸入車や逆輸入車では側車付構造変更の申請が困難でした。
今回新たに実施となった法令により、下記に該当する車両の側車付改造申請には改造完成後に公的機関でのテストコース走行によって得られたデータのみが制動能力を公式に証明するものとなりました。
輸入車または逆輸入車においては2011(平成23)6月18日以降に製作されたオートバイについて。
そして国産車であり国内で認可を受けて販売された車両については2009(平成21)年6月18日以降に製作されたオートバイ(但し平成21年6月18日以降に型式指定を受けたものであり、かつ平成23年6月17日以前に製作されていれば除外。ただし平成19年6月18日以前に型式指定を受けた内容と同一であることが条件。)について、サイドカーを装着して側車付オートバイとしての構造変更の申請を行う場合、サイドカーを付けた完成車の状態で公的なテストコースを走らせて制動能力の試験を受け、その実測データにより制動能力が基準をクリアしていることを証明する必要があります。
この試験を受けるためには多額の試験費用と完成状態から受験までの3ヶ月から6ヶ月の待機期間が必要になります。
このようなわけで1999(平成11)年7月以降に初年度登録がなされたオートバイの場合、制動データに関して事前によく確認する必要があります。
また国産車では2009(平成21)年・輸入車では2011(平成23年)の6月18日という初年度登録年月日の日付の確認が今まで以上に大変重要になります。
通常、便宜的に車検証の初年度登録年月日を製造年月日として読み替えるのですが、実際の製造日はそれより以前です。
国産車なら、メーカーから工場出荷日の証明が入手できれば、その日付が製造日として認められます。
輸入車なら、通関証明書の日付や、可能なら生産工場の製造日なりの証明書があればその日付が製造年月日ということになります。
そのような理由で、高年式車の構造変更はたいへん慎重な判断が必要です。
1999(平成11)年7月1日以降に初年度登録されたオートバイにサイドカーを取り付けたい場合は事前に十分な確認や調査が必要です。
1999(平成11)年6月30日以前に初年度登録されているオートバイの場合
制動能力に関するデータの提出が不要ですので、輸入・国産にかかわらず構造変更の申請が可能です。
またこの日付が車検証の初年度登録年月日でクリアできていなくても、通関証や工場出荷日などにより、6月30日以前であることが確認できれば、このデータの添付は不要です。
【車体の特徴から、サイドカー取付に適するかどうか。】
車体の構成から、サイドカー付にするに適しているかどうかも考える必要があります。
結果からいえばフレームを強化もしくは大がかりなサブフレームの設計製作により、もとがどんな車体でも大丈夫ということになるのですが、不向きな車体に十分な強度を持たせるために、大がかりなサブフレームの設計・製作に途方もない費用がかかるのでは現実的ではありません。
従って候補とする車体について、なるべく余分のコストがかからないような「サイドカーに向いている」フレーム構成の車体を選びたいものです。
簡単にいえば、サイドカー取付ステーを取り付けやすいフレームを持っていることです。
太いダブルクレードルフレームがエンジン前方にあり、後部にもフレーム本体が回り込んできているような、いわゆる本格的なダブルクレードル車の場合には4から5本のサイドカー取付ステーは直接または比較的容易で効果的な手法により、しっかりと取り付けることが出来ます。
またBMW R69Sなどではあらかじめサイドカー取り付けを考慮して設計製作されており、サイドカー装着に適したものになっています。
サイドカーが走るときはさまざまな応力がフレームにかかってきます。
オートバイとして設計される時点ではほぼ前後/上下方向への力が検討されますが、左右に引っ張る/押す力についてはあまり検討されません。
しかしサイドカーになると加減速時にも、コーナリング時にも横方向への大きな力が加わってきます。
特にパワーのある車の場合はさらに深刻なものになります。
従って一部の最新型ビッグバイクなどのようにメインは太いアルミダイキャストのバックボーンだけで、あとはエンジンブロックや補助的なフレームが応力を受け持っているような構成の場合は、サイドカーの横剛性に耐えられるように、また一箇所にかかる応力を分散させるためにかなり大がかりなサイドカー取付用サブフレームで対応することになりますが費用のほうも大きくなってきます。
【エンジンやパワーについて】
エンジンやパワーについて、サイドカー付とした場合の適性をよく聞かれます。
基本的には自分がいちばん好きなフィーリングのエンジンを持つバイクをお選びになればいいと思いますが、サイドカー付として扱いやすいかどうかということになれば話は変わります。
アクセルワークを利用して左右への進路を決めてゆくというサイドカーの特性から考えますと、レスポンス良くアクセルに応えてくれること、急激なトルク変動が少ないこと、ということになりますが慣れとか好みで克服できることなので、やはりここは「好きこそものの上手なれ」自分の好きなエンジン、フィーリングであることがいちばん永く、愛してつきあえることになると思います。
パワーについては個人的な考えかも知れませんが50馬力から70馬力もあれば十分、と思います。
サイドカーを付けると重くなるし、パッセンジャーが乗ればさらに重くなるから100馬力、120馬力と、よりパワーの大きいバイクを選ぼうとする考え方はもっともですが、高速道路をより速く快適に走ることがメインの楽しみ方であれば、正しい選択です。
しかしワインディングをオートバイと一緒になって駆け抜けようという場合は逆にコントロールしにくい場合もあり、有り余るパワーがハンドリングの邪魔をしかねません。
そんなわけで高速もワインディングも常に先頭を走れるサイドカーというのはちょっと難しそうです。
サイドカーでの楽しみ方を考えて、高速優先かワインディング向きかを選ぶのが無難です。とはいうもののやはり趣味の世界ですから、最高速バイクにサイドカーを付けて、ワインディングも乗りこなし、最強のサイドカーを楽しむのも悪くありませんね。
【250ccクラスでもOK?】
軽二輪すなわち250ccクラスのサイドカーは20馬力そこそこと非力です。
二人乗りで高速を走ると平坦なところで最高速度110km/hくらいで巡航も可能ですが余裕があるのは80から90km/hあたりです。
長い登り坂ですと70km/h以下まで落ちてしまいますので高速道路むきとは言えません。
しかし街中での走りは結構きびきびとしていて、車体もコンパクトなので使いやすく、市街地での扱いやすさは最高です。
また一般路ではえんえんと続く登坂は辛いものの、ワインディングならコーナーが待ち遠しいほど楽しく走れます。
250ccとはいえベテランドライバーともなれば3倍以上も排気量のあるサイドカーよりも先に行って驚かせることが出来るほど、テクニックが自在に楽しめるのも痛快です。
【手に入れた中古サイドカー(サイドカー側のみ)をご使用時の注意点】
中古サイドカー(本体)にはフレーム強度やサスペンション構造部に問題のあるもの、装着や構造変更届出を行うには無理のあるもの、レストアや塗装などに多額の費用が必要なものなどがしばしばあります。
ワンオフの手作り品でも完成度の高いものもなくはありませんが、十分な見極めが必要です。
フレームを新規に製作しますと20万以上、FRPボディの修復と全塗装を行うと15万~25万、内装のレストアを行うと5~20万の費用が必要になります。
中古サイドカー本体をご使用になる際は装着・構造変更費用のみならず修復や美化・塗装といった費用が大きいので、併せた総費用をお考えいただくことが大切です。
装着や側車付構造変更のお問い合せは車検証をお手許に042-444-0206までお気軽にどうぞ。